(Asahi Pentax SP,Super Takumar 50mm)
開拓の時代から北海道農業を支えてきた農耕馬は昭和40年以降、徐々に耕耘機やトラクターに取って代わられて、農業現場から消えゆく運命にありました。
昭和45年(1970)、中標津にある根釧農業試験場は酪農を専門に研究していましたが、何故か2頭の馬が飼われていました。聞くところによると当時の管理科長の
趣味で、道庁には内緒で飼っていたとのことらしいのですが、真偽のほどは定かではありません。
しかし、そんな話がもっともらしく思えるくらい、のんびりと
していた時代ではありました。
その科長は心底から馬が好きで、他の職員には手をかけさせず自ら世話をしていました。その丹精のたまものか、よく肥って毛艶もよく、幸せな余生を
過ごしているように見えました。そんな名物科長が亡くなってから久しくなりました。