(Asahi Pentax SP,Super Takumar 50mm)
昭和45年(1970)の根釧地域では普通に見られましたが、現在では見ることのないものの一つにスタック・サイロがあります。これは地面を浅く掘り、
そこへ刈り取った牧草を固く積み上げてから、ビニールをかけて密封してサイレージにします。造るのにお金のかかるタワーサイロの代わりに、簡便に
サイレージを作ることができます。サイレージとは、簡単に言うと牧草の漬け物で、冬期間の乳牛の餌にします。
現在ではタワーサイロも姿を消しつつあって、牧草を丸めてポリフィルムで巻いて密封するラップサイレージや、コンクリートで四角い枠を作ってそこに
牧草を積み上げるバンカーサイロが主流です。
現在の北海道酪農では乳牛と言えば白黒のホルスタイン種がほとんどですが、かつて別海や中標津の牧場ではジャージー種の乳牛もかなりの数が
飼われていました。パイロット・ファームでは最初に導入されたのがジャージー種です。ホルスタイン種より小型ですが脂肪分の高い乳を出します。
今の乳牛は生まれて10日くらい経つと、角が生えてくる根っこを除去されてしまうために、角がない牛がほとんどです。だから、乳牛はもともと角がない
と思っている人もいます。しかし、昔はもう少しおおらかで、立派な角を持った乳牛がたくさんいました。角のある牛はやはり、どこか自信を持っている
ようで、堂々として見えます。でも、こんなのに向かってこられると、少しびびってしまいます。
今は見られない、昔の酪農風景を紹介しました。まさに、お爺さんの昔話のようですね ^^;