既にカレンダーは10月となり、今年最後の四半期に入りました。
でも、ブログでは富山の旅行記が続きます。
富山と言えば立山、ホタルイカ、神通川、鱒寿司、蜃気楼・・・と数多く連想されますが、
越中富山となれば、なんと言っても薬売りが第一に揚げられると思います。
そんな富山を象徴するように、富山駅前には薬売りの彫像がありました。
昭和50年くらいまでに生まれた人で、比較的田舎に住んでいた人ならほとんどが、富山の薬売りを知っているのではないかと思います。
家のタンスの上あたりに三つくらいの引き出しがついた箱があって、胃薬や風邪薬、頭痛薬などが入っていました。
年に一、二度くらい、大きな包みを背負った小父さんがやってきて、薬箱を点検し、使われた薬の代金を受け取り、補充して帰りました。
その家の子どもに紙風船などのお土産をくれたので、子どもには喜ばれました。
ドラッグストアーが街のあちこちにある現在では、行商による配置薬はほとんど見かけなくなりましたが、まだ存続はしているようです。
創業130年という広貫堂というメーカーは、配置薬の商いを近代化して薬品会社として生き残っています。
そこの資料館を訪ねて見学してきました。
昔の越中富山の薬売りの商売道具が展示されていました。
この文章を書いている間に、楠木トシエさんが富山の薬売りをテーマに歌った「毒消しゃいらんかね」を思い出しました。
わたしゃ雪国薬うり あの山こえて村こえて
惚れちゃいけない他国もの 一年たたなきゃ会えやせぬ
目の毒気の毒河豚の毒 ああ毒けしゃいらんかね
毒けしゃいらんかね
という歌でした。